前回のブログで、
「原点でもあり、限界でもある」
という言葉を使わせてもらいましたが、違和感もあったでしょうか。
今回は、そこで十分に伝えられなかった、その言葉の深さ、重さに触れたいと思います。
この言葉は、山田洋次映画監督の言葉なのです。今「こんにちは、母さん」がヒット上映中です。
(この映画の感想は、またの機会にしますね)
92歳にして90本目、今まで数々の賞を受賞している、道を究めた人の深くて重い言葉です。
山田洋次監督は、満州引き揚げ後の「食うや食わずの生活」とそんな中での「人のやさしさ」が戦争の原体験と語ります。
映画づくりの原点も「どうやって生きていくか、どうやって食っていくか」がテーマだった、と。
思春期に(芸術の)美意識を感じる体験ができなかった。
それが自分の限界なのではないか、と。
謙虚にそう語り、そこを認識しながら、
さらに精進していこうとしているその姿に、感銘を受けます。
たぶんそれは、山田洋次監督にしか描けない世界での一歩先なのだと思います。
誰の人生にも、自分にしか歩けない道の一歩先があるのですよね。
かけがえのない一歩先を歩いていきたいものです。
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